平成27年6月26・27日に仙台国際センターで開催されました「第16回日本言語聴覚学会」に行ってきました。

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プログラム1日目

  • 失語症
  • 言語の神経基盤
  • ランチョンセミナー高齢者摂食嚥下障害と吹き戻し
  • 特別講演 認知症を癒す(森悦郎先生)
  • シンポジウム 認知症に対するさまざまな言語療法

2日目

  • 発達障害のある子どもたちへの対応の基本
  • 重度失語症における異常発話の症候学
  • ランチョンセミナー摂食嚥下訓練の臨床力を鍛える
  • 研究報告の仕方
  • シンポジウム自発話から見えてくる障害メカニズム

一日目初めに、失語症、脳神経の基盤についての話を聞きました。脳の機能局在を知ることで、言語の神経経路を考え症状を検討することができ、その後の正しい評価にも繋がることを再認識しました。

ランチョンセミナーでは高齢者摂食嚥下障害と吹き戻しという講演を聞きました。吹き戻しとはおもちゃの巻き笛のことで、広島県のモデル事業で検証、開発された呼吸訓練の道具です。

3段階の強さがあり、COPDなどにも有効な効果があるとの事でした。1日3回を1セット10回をゆっくり噴出して行うそうです。(吹き戻し使用)

この吹き戻しを使用した呼吸訓練を行うことによって、意欲なども含め元気になるということでしたが、身体機能面がついて行かないことを話されていました。これらのことから呼吸器リハビリは摂食嚥下リハビリに有効なのではないかということでした。これまで100円均一に販売しているおもちゃを使用して行っていましたが、訓練用として販売されているものは呼気の強さも三段階で使い分けることができるため、一人ひとりにあった強さでトレーニングを行うことができるので、現在行っている方に関してはきちんと評価して使用することも必要なのではないかと考えました。

午後は認知症にも焦点を当てた講演会が行われ、認知症における失語症などにおいて詳しく聞くことができました。それぞれの認知症において特徴となる言語症状などがあるということでした。認知症は薬の開発も盛んで進行が緩やかになることもわかってきているため、起こってしまった大脳の変性は元に戻すことはできないという事ですが、薬をそれぞれの認知症に合わせて正しく処方してもらうことで、認知症の進行を少しでも遅らせることができるとの事でした。これからますます認知症の方と接することが多くなる可能性が高いので、最新の研究などにも情報を持っておく必要があると思いました。

もの忘れ外来でもSTの期待される役割として加齢による物忘れと認知症の鑑別を行うことが大切で、神経心理における専門職として軽微な症状を見落とさないこと、軽度認知障害の段階から積極的に介入することが大事と言われていました。そのような介入をするためにも日々情報を取り入れ学習をして行くことが必要だと思いました。

また認知症の生活に適応できる機能の評価として、認知症コミュニケーションスクリーニング検査(CSTD)があり、これは認知と言語、構音、聴覚においてチャート式で評価するため他職種にも提示しやすいとの事でした。STだけの関わりではその方により良くなって頂くことは難しいことも多く、他職種にわかりやすく言語面の事を伝えるということもなかなか普段できていないように感じます。そのように目で見てわかる評価などを利用できれば、分かりやすい説明にもつながり、一人ひとりにあった関わりがみんなで共有できるのではないかと考えました。

今回色々な講演や発表を聞くことができ、とても感銘を受けました。日々の訓練の中で悩むことは多いのですが、答えがなかなか見つからないことも多くあります。そのような中でこのような機会を与えて頂き、改めて頑張っていかなければいけないことを実感しました。

最後になりましたがこの学会に参加させていただいてありがとうございました。

言語聴覚士 中武